こんにちは!箏(琴)奏者の久です。
外国人ゲストを迎える国際会議や表彰式、インバウンド向けイベントでは、「日本ならではのおもてなし」を意識した演出が求めらることが多いと思います。
本記事では、外国人ゲストに喜ばれる箏の生演奏の魅力や効果、そして英語での対応が可能な演奏者に依頼するメリットについて、バイリンガルの箏(琴)奏者としての私の経験も交えながら解説していきます。
※日本の伝統楽器「こと」は、しばしば「琴」と表記されますが、正確には「箏」という漢字を使用します。本記事では正式名称の「箏」で統一しますが、これはお正月の演奏などで広く親しまれている「琴」と同じ楽器を指しています。
外国人ゲストに響く箏の音色

海外から来られるお客様が日本のイベントに参加するとき、どんなことを期待しているでしょうか。多くの場合はやはり「日本らしさ」に触れる機会を楽しみにしています。せっかく日本に来たのですが、ここでしか体験できない日本ならではの体験をしたい、と思う方が大半です。
日本には着物や茶道、書道など、さまざまな伝統文化がありますが、和楽器の生演奏はこのようなシチュエーションにおける催しとして非常に適していると言えます。当記事ではその中でも、「箏の生演奏」が持つ、外国人ゲストの心を強く惹きつける魅力についてご紹介します。
1. 独特の音色と奏法
箏は西洋の楽器にはない独特の響きを持ち、言葉で説明しなくても感覚的にその違いを感じ取ることができます。
柔らかく上品な音色と、独特な奏法から発せられるユニークなサウンドが最大の魅力で、日本文化のエッセンスをダイレクトに感じ取ってもらうのに相応しい楽器であると言えます。和楽器の中でも特に上品な印象を与えることができるため、格式の高い場や、品を求めらる場においても活躍します。
2. 視覚的なインパクト

箏の長さは約1.8m。長身の男性ほどの大きさがあり、視覚的にもかなりのインパクトがあります。
演奏者が着物で箏を奏でる姿は、それ自体が日本を舞台にした映画のワンシーンのようなもの。海外のゲストにとってはついつい写真に収めたくなるような印象的な光景となるでしょう。
3. どのような楽曲でも演奏できる柔軟性
意外に思われるかもしれませんが、実は箏という楽器は驚くほどの柔軟性と対応力があります。
一般的には「古典曲しか弾けない」「昔ながらの音楽しかできない」というイメージを抱かれがちですが、実際にはポップスや洋楽、さらにはアニメソングなど幅広いジャンルに対応可能です。
これは、箏が調弦(チューニング)を自由に変えられる楽器だからこそ実現できる特徴です。「弾けない曲はない」と言っても過言ではありません。
こうした柔軟性のおかげで、その時々のコンセプトに合った選曲に柔軟に対応したり、ゲストからのリクエストに応えることができます。
例えば、「星空」をテーマにしたこちらのイベントでは、ライブ参加者の方からのリクエストを元に、「星」や「天体」に関する楽曲だけで以下のようなプレイリストを構成しました。イベントのテーマ性の強化と、会場の盛り上がりの両方を実現できた好例になります。
- 木星 / ホルスト
- たなばたさま
- きらきら星
- 三日月 / 絢香
- 天体観測 / BUMP OF CHICKEN
英語対応可能な箏奏者に依頼するメリット
海外ゲストに箏の演奏を味わってもらう際は、英語でのコミュニケーションが可能な奏者に依頼すると安心です。手前味噌ではありますが、具体的にどんなメリットがあるのか、私自身の経験からまとめてみました。
1. 曲目紹介や挨拶を英語で伝えられる
曲の背景や、演奏後のお礼を英語で伝えられると、聴いている方の理解が深まり、より一体感が生まれます。英語でMCをすることで、会場のみなさんが同じストーリーを共有できるのが大きな利点です。
例えば、海外から多くのアーティストや観客が集まる国際的なアートイベント「Art Golden Gai」では、日本舞踊家とのコラボパフォーマンスを披露し、その後に英語でご挨拶をさせていただきました。(動画1:25〜)
主催の方が日本語がわからない、あるいは共演者の方が英語がわからないという場合でも、私が間に入ることでスムーズなコミュニケーションを実現することができます。
2. スムーズな質疑応答と、交渉ごとへの対応
演奏後、外国人ゲストから「その楽器は何という名前?」「弦はいくつあるの?」といった質問をいただくことがよくあります。英語でコミュニケーションを取ることができると、その場でスムーズに回答でき、ゲストとの距離が一気に縮まります。
更に、話しかけてくれたゲストとの会話の自然なきっかけにもなり、主催者の方とゲストの方の商談・交渉などに繋げることも可能です。和やかな雰囲気で会話をスタートできるので、ゲストの方と何かお話をしたいという方にはとてもおすすめです。
3. イベント進行面での安心感
国際会議や大規模イベントでは、打ち合わせや当日の進行を全て英語で行うケースも多いと思います。英語対応可能な奏者であれば、別途日本語の資料を用意をする必要もなく、段取りやタイムキープなどもスムーズにやり取りできるので、イベント全体の進行が円滑になります。
また、イベント当日に突然のトラブルのトラブルに見舞われた際も、直接英語でやり取りをすることで素早く対応することができるのも利点の一つです。(私の経験上、このようなケースはとても多いです)
4. 外国人対応の経験値
英語対応ができる奏者は、海外公演や国際プロジェクトへの参加を通じて、多様な国の文化や価値観に触れてきた経験が豊富です。どのようなパフォーマンスや選曲が最も魅力的に映るか、国や文化圏ごとに求められるものを的確に見極めることができます。
また、外国人とのコミュニケーションに慣れているため、宗教や文化、さらには商習慣の違い(請求書の形式や支払い手順など)を踏まえたうえで、失礼やトラブルを回避できるのも大きな強みです。
箏の生演奏を依頼したい場合

外国人ゲストの多いイベントで箏の生演奏を取り入れることを検討している場合、真っ先にすべきことは、奏者のスケジュールを確認することです。
まずは日時と内容(ざっくりとしたもので構いません)を記載の上、お見積り依頼を出してください。お見積りに必要な情報が足りなければ、奏者の方から質問があるはずです。
いずれにせよ、早めに日時を提示し、スケジュールの相談をしておくことが非常に重要になります。依頼が決まる前であっても、日時を提示しておくことでスケジュールを抑えることができる確率がグンと高まるためです。
私自身、これまで多くの国際イベントやレセプションで演奏してまいりました。英語でのご案内や質疑応答も対応可能ですので、「海外からのお客様に日本文化を実感してほしい」「社内の海外スタッフにも特別な余興を楽しませたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせの際は、日程と企画の概要をお知らせいただければ、私の方から最適なご提案を差し上げます。
日本伝統のやさしい音色を通じて、外国人ゲストと忘れられない感動を共有してみませんか? 私の箏演奏がお役に立てるよう、全力でサポートさせていただきます。お会いできる日を楽しみにしています。
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